Tec00006 臨時会議「ソ連経済改革と21世紀世界」

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ソ連政変をきっかけに、開発について考えるコーナー。


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 今回のソ連政変劇について、あちこちのBBSを見ましたが、あまり
おもしろくないのです。皆さん、湾岸戦争の続きで劇場にいる気分だか
らではないでしょうか。

 しかし、ソ連の行方は湾岸以上に、21世紀世界を揺さぶるものにな
るはずです。今世紀の共産主義が持った開発のための独裁という性格は
レーニンの責めに帰するより、歴史的必然だったと、考えています。そ
れが破綻して、商品経済の世界に回帰するとして、ギャップはどのよう
に埋められるのか。

 第三世界、あるいはNIESの「開発」にも、独裁はついて回ってき
ました。そうした国の将来も含めて、ここではテクノロジー社会下での
近未来を考えてみたいと思います。

 まず、#2に、ソ連の現状を考えるために紙面からいくつか切り抜い
てきました。


#0002 dando    9108281544

        ===朝日新聞紙面からのソ連経済問題資料集===
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* 進むしかないソ連の市場移行(社説  90.05.29  朝刊 *
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  物不足に悩むソ連でも、まだ商品の出回るモスクワには、地方から毎日、数
十万とも数百万ともいわれる買い物客が殺到する。
 そうした人たちを「デサントニキ」(落下傘兵)などと皮肉るモスクワっ子
も少なくない。空から舞いおりるように現れて、それでなくとも乏しい食料や
日用品をさらってしまう、という不満からである。
 この数日、そうした買い出し組がさらにふえた。店頭でモスクワ市民との小
競り合いも起きているという。ゴルバチョフ大統領はテレビを通じ、「パニッ
クに陥ることなく、経済再建に協力してほしい」と訴えた。事態はそれほど危
機的なのである。
 このパニックは起こるべくして起こったものだ。先週、当局は「調整された
市場経済」への移行計画を発表し、その中で7月からパンを3倍に、来年初め
には肉、バターからくつ、衣料品にいたるまで大幅に値上げする、と予告した
からである。
 そんなことまで発表したのは、何より国民に覚悟を促すためだろう。経済の
実態が急激に悪化し、価格改革を柱とする市場経済の導入を先送りすれば、も
っと悪い結果を招く、と当局は判断したにちがいない。
 実際、混乱はすでに破局的な段階にいたっている。くらしに欠かせぬ日用品
1000品目のうち、需要を何とか満たしているのは1割にも満たない。配給
制が全土に広がりつつある。インフレが高進し、実質2けたの騰勢をみせる一
方、生産は落ち続けている。ふくれ上がる通貨供給と細る商品供給。その間の
乖離(かいり)が広がっている。期待感をもって改革に乗り出したゴルバチョ
フ政権にとって、思いも及ばぬ展開というべきだろう。
 ソ連経済が抱える構造的なひずみの表れというだけでなく、政策上の失敗も
見おとせない。ゆがんだ価格体系を世界水準に近づける価格改革も、インフレ
の根を断つ財政再建も、必要性は早くから叫ばれながら、いたずらに時を失っ
た。企業活動を調整する市場を欠いたまま自主性を与えたため、生産性を超え
る賃上げや無責任な値上げを招いた。その結果としての物不足であり物価高な
のだ。
 市場経済への移行計画は、年内に必要な法制を整え、来年から3段階にわた
って、価格改革、財政再建、国営企業の民営化、独禁政策などを進めようとい
うものだ。需給できまる自由価格の導入率が当初15%以下にすぎぬという点
にもみられるように、なお及び腰だとする批判も少なくない。
だが、ともかくも包括的な形で移行プランを打ち出した点は政府の決意を内外
に示したものとして評価すべきではないか。
 問題はむしろ、その程度の改革であれ、それを遂行できるかどうか、にある。
7月初めの党大会のための代議員選挙にのぞんだゴルバチョフ氏は、61%の
支持しか得られなかった。国内での威信低下は著しい。
 とはいえ、モスクワでの世論調査によると、市場経済の導入を支持する人々
は着実にふえ、6割近くに達している。そうした世論を結集し、改革を断行す
ることがゴルバチョフ氏に何より求められよう。
 この春、ソ連から来日した経済調査団は、第2次大戦直後の超インフレや7
0年代の石油ショックを乗り切ったわが国の経済に強い関心を示した。ソ連の
現状に通じるところがあるからだろう。
 ソ連の改革の成否は、世界全体の安定化に少なからぬ意味をもつ。改革が円
滑に進むようにするには、どうすべきか。そうしたノウハウを含めた協力を、
わが国としても惜しむべきではない。
 
 
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* ソ連価格改革の実効性を問う(社説) 91.04.05  朝刊*
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  市場経済への移行を掲げるソ連政府にとって、何よりの急務は、自らの放漫
財政が招いた過剰なルーブルを吸収し、物不足とインフレの同時進行にブレー
キをかけることだろう。
 紙切れ同然とさえいわれる通貨のたれ流しを評して、大統領の補佐官だった
経済学者は「浴室の水道が流れ放しになっているようなものだ」という。
 こうした現状をただす方法は、次の通りだ。まず開いたままになっている蛇
口を閉じる。つまり、国家歳出を削減する。次に床にあふれている水を、ぞう
きんでぬぐい取る。すなわち、あり余るルーブルを吸いあげるに足る土地、住
宅、国有施設や株式などを民間に放出することだというのだ。一理ある提言だ
と思う。
 そうした背景があるなかで、ソ連当局は今月から、四十数年ぶりという消費
物資の公定小売価格の大幅引き上げに踏み切った。この措置もまた、バター、
チーズ、食肉などの値段を何十年間も据え置くために注ぎこんできた巨額の補
助金を圧縮し、ひどくなるばかりの財政赤字にブレーキをかけることをねらっ
ている。
 と同時に、これまで国家が恣意(しい)的に決めてきた小売価格に、需給や
生産コストを反映させ、とりわけ不足のめだつ消費物資の生産を刺激する。こ
うしてルーブルの購買力を回復し、将来の市場経済移行への地ならしをしよう
というものだ。
 遅きに失した、という感じは否めない。が、長年の課題である価格改定に、
曲がりなりにも踏み切った決断は、それなりに評価していいのではないかと思
う。
 問題は、こうした措置がどれほど実効性を持つか、という点にある。
 まず財政の健全化だが、この引き上げだけではもちろん十分でない。しかも、
ソ連当局は値上げが暮らしに与える衝撃をやわらげようと、老人、子どもを抱
える家庭を中心に、かなりの補償をすることにした。そうした補償金の総額は、
値上げによって得られる収入の85%にのぼるという。
 社会の弱者への配慮を一概に批判するわけにはいくまい。しかし、財政再建
を優先させるのなら、こうした補償はもっと控えめな方がよかったのではない
か。
 他方、ゴルバチョフ大統領は、ストを続けてきた炭鉱労働者に、今後1年間
で賃金を2倍にすると約束した。それに充てる財源も、現状では紙幣を増刷す
ることによってまかなうしかあるまい。これらの結果、非公定価格を含めすで
に2ケタに達しているインフレ率は、今年は当局が想定する60%をはるかに
上回る可能性が強い。国営商店のタナを満たすほどの商品が出回るようになる
かどうかも疑問だ。
 それ以上に心配されるのは、古い経済システムの崩壊が引き起こした生産の
低下が一段とめだってきていることだ。パブロフ首相は今週、モスクワの自動
車工場を視察した際に、1―3月の国内生産が去年より7%も落ち込んだ、と
語った。
 悪化の一途をたどる経済の現実を直視するなら、保守派も改革派も政争に明
け暮れている時期ではあるまい。市場経済の導入を本気で考えるのであれば、
まず大同団結して情勢の早急な安定化に取り組むべきだろう。
 それとともに、価格体系の本格的な自由化と、国営企業の民営化をてことす
る競争原理の導入を盛りこんだきめ細かな移行プランを示すべきではないか。
それなしには、西側諸国としても、技術、資金協力を本格化に進められないか
らである。
 
 
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* 悪循環に陥った市場移行の道 頼みの外資途絶え 東欧3国 91.05.18 朝刊*
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  東欧諸国に燃え盛った民主化革命から1年半。各国は、いま、経済再建をめ
ざして経済改革に懸命に取り組んでいる。だが、湾岸戦争やソ連の国内混乱の
影響もあって、困難はむしろ深刻化し、改革ははかどっていない。チェコスロ
バキアを中心に現状を報告する。
 (文・写真 編集委員 早房長治=フランクフルト)
 チェコスロバキアの代表的乗用車メーカー、シコダは4月中旬、西ドイツ・
フォルクスワーゲンから資本と役員などを迎え入れ、新体制をスタートさせた。
これでシコダは西側との国際競争にさらされても、なんとか生き残れる「キッ
プ」を手にしたのだが、同社経営陣の表情は必ずしも明るくない。
 シコダとフォルクスワーゲンはフォルクスワーゲンが全株式の31%をまず
取得し、5年以内に持ち株比率を70%以上に増やす、という協定を結んだ。
シコダ側も結果として望んだこととはいえ、同社は事実上、フォルクスワーゲ
ンに買収される。
 シコダのスポークスマン、ダニュヘルカ氏は「他に道はなかった。西側に比
べ20年以上遅れている設備を更新するには、ともかくカネがいる。新車開発
も含めた技術もフォルクスワーゲンが全面的に提供してくれる。シコダのマー
クを残す、原則として首切りはしない、という条件をのんでもらうのが精いっ
ぱいだった」と無念の表情で話す。
 「カネと技術がほしい」というのはシコダだけの話ではない。チェコはもち
ろん、ハンガリー、ポーランドなど東欧のほとんど全部の企業が西側企業との
合弁を望んでいる。ところが西側からの資金流入は、もともと多くなかったの
が、去年8月、湾岸危機が始まって以来、ほとんど途絶えてしまった。ドイツ
が旧東ドイツ経済の再建に全力を注ぎ出したことも影響している。
 1400の国営企業を管理する工業省のブシサ次官は、「今年、15億ドル
の外国からの投資を期待している。控えめの額だと思うが、そのメドも立って
いない」と、ため息まじりに語る。
 資金不足では経済改革も順調には進まない。チェコはハンガリー、ポーラン
ドに続いて、今年1月から本格的な改革に着手した。商品の価格を一気に85
%自由化し、国営企業の民営化法案も、4月初め発表された。通貨の交換性回
復については、企業が原料や部品を西側から買う場合や、外国企業がチェコ国
内で得た利益を本国へ送金する場合などは、コルナをドルやマルクなどのハー
ドカレンシー(交換可能な通貨)に無制限に交換することを認めた。
 ところが、現状を見る限り、市場経済に移行する過程で起こる悪い点ばかり
目立つ。
インフレ率は前年比約40%に達し、なお上昇し続けている。一方、賃金は政
府の抑制策で5%程度しか上がっていないため、消費が落ち込み、工場は操業
短縮を迫られている。
 第1・四半期の統計では、商業売上高が前年比37.1%、工業生産高が1
1.9%、建築受注高が35.8%、食肉生産高が27.3%と、それぞれ大
幅に減少した。
失業率はまだ2.8%と低いが、国営企業の30%以上が赤字に陥っているこ
とを考えると、「首切りのあらし」が巻き起こるのは必至だろう。
 ハンガリーはインフレ率が35%以上で、工業生産は3年続きの縮小。ポー
ランドはインフレ率が再び80%に達し、国内総生産は昨年12%も落ち込ん
だ。3国の経済の現状を端的にいえば、産業の競争力強化が一向にはかどらぬ
一方で、インフレと生産の縮小が進み、外資の投資姿勢をさらに消極的にする
という悪循環に入っている。
 「チェコの三菱重工」ともいわれるブルノ第1機械のクバ社長は「外資こそ
経済改革の悪循環を断ち切るカンフル剤になる。当社も含めて、買収されるの
はいやだ、などと言っていられない。日本の企業が東欧に、もう少し目を向け
てくれるとありがたいのだが」と訴えている。
 
 
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* 改革異論(実物大のソ連 第3部・経済改革) 91.08.02  朝刊*
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  自由化、方法論巡り百家争鳴
 混沌(こんとん)と呼ぶにふさわしい状況の下で、とにもかくにも経済変革
は続く。
 大統領報道官イグナチェンコは、「改革が蛇行してきたのは事実だが、我々
の方針は、今後も変わることはない」と強調する。しかし、その方法論をめぐ
っては、学者や政治家の間に異論が激しく飛び交う。
 ○物価値上げに賛否
 論議の中心は、4月の物価値上げ。厳しい批判は意外にも、身内の副首相マ
スリュコフから上がる。「値上げは(自分が主張した)88年に実施すべきだ
った。3年間もの時間を無駄にした。経済のアンバランスがひどくなり、混乱
が大きくなった。しかも、物価の自由化は、ぜいたく品から段階的に進めるべ
きなのに、今回の大幅な値上げは国民に強いショックを与え、不要なインフレ
を生んだ」
 一方、全ソ世論調査センター長のザスラフスカヤは、より徹底した物価自由
化を主張する。「値上げ以降、自由市場のソーセージなどいくつかの商品に値
下がりが見られる。価格高騰で需要が落ち値段が下がる、という市場経済の原
理が働いている証拠だ。経済は自律的に動く」
 彼女は、値上げと同時に実施した労働者への一律補償や、賃金の物価スライ
ド制には、猛然と反発する。「年金生活者らに対する補償はともかく、一律の
補助金と完全スライド制導入は、(余剰ルーブルを吸収しながら、それをばら
まくわけで)右手で建物を建設しながら、左手で破壊しているのと同じ」
 ○「問題は流通機構」
 ソ連科学アカデミー経済予測研究所長のヤリョメンコは、流通システムの改
革こそ必要だと言う。「低価格で国家が買い上げる一般市場と、高価格の自由
市場や闇(やみ)が共存しているため、一般市場にモノが流れなくなる。国民
は生活防衛だけでなく、モノでもうけようと考えるから、買いだめをして、家
の中は商品倉庫と化している。自由な流通1本にすれば、モノ不足は解消する」
 ソ連科学アカデミー米国カナダ研究所部長のシメリョフは、「スターリンは
旧紙幣の10ルーブルが1ルーブルに相当する新紙幣を発行、通貨流通量を4
分の1に圧縮した。パブロフ首相も1月の高額紙幣の使用停止措置で、同じ『
手術』を目指したのだろうが、今の政府に当時のような強制力はない。政府へ
の強烈な不信感だけが残った」と手厳しい。
 膨れ上がった財政赤字について、ザスラフスカヤは、改革のためには厳しい
負担に耐えなければならない、と国民に訴える。「労働者はストライキで、軍
人たちはクーデターで脅しをかけるため、政府は双方に譲歩して、紙幣の印刷
を続けている。軍事費の大幅削減が不可欠だし、国民も痛みを覚悟すべきだ」
 外貨不足で貿易は縮小の一途だが、対外経済銀行総裁筆頭補佐官のバルコフ
スキーは、危機脱出までという条件付きではあるが、管理貿易の維持を主張す
る。「貿易の国家独占が廃止になって、2万以上の企業が貿易に参加したが、
企業は、(消費財を輸入し)自分の欲望を満足させるためだけに行動している。
自由化の否定的側面だ」
 ゴルバチョフ大統領のロンドン訪問に対して、物乞(ご)いだ、という批判
も出た。
だが、ソ連科学アカデミー世界経済国際関係研究所の所長マルチノフは、積極
的な西側との協力を唱える。「世界銀行などに依存すれば、経済政策で政府の
自主性がしばられる、と保守派は危惧(きぐ)する。けれども、いままで政府
は、海外から援助を受けても、むだ遣いしかしてこなかった。この国には、海
外の専門家の強力なアドバイスが必要だ」
 ○「国民意識改革を」
 ザスラフスカヤは、ため息まじりに言う。「とても悲しいことに、一般の人
たちは、今日の経済状況が分かっていない。そして今、政府が物価を上げ、必
要な食料品を供給しないのは、『政府の性格が悪いからだ』としか考えていな
い。まず、国民が意識改革をしなければならない」=敬称略
                                               (モスクワ=伊藤裕章)


#0003 sci5277  9109080539

開発独裁というとらえかた、賛成です。
ちょうど地理の授業で韓国を扱ったまとめとして、開発独裁という用語を紹介した
ところで、同じ様な考え方に、この会議室には少しは参加できそうです。

ソ連の開発独裁をになったのは、いうまでもなくスターリンとその後継者たちです
が、現在のところでは、改革派のエリティン、中間派のゴルバチョフ、保守派のな
んとか大佐のいずれも、市場経済化をめざしているてんでは変わりがなく、特に、
保守派はチリを模範とした開発独裁を主張していることに注意が必要です。

中国も革命直後はソ連流の開発独裁であったものが、今は、ソ連に先行しての市場
経済化を進めてきていますが、人権迫害もはなはだしい「一人っ子政策」をはじめ
独裁の様相は深刻です。

社会主義と自称したからといって、社会主義が実現できていたわけではまったくな
かったことはますます明白ですが、実際をリアルにみながら、この会議室での議論
の展開に期待して、オンラインでの取り合えずの書き込みを終えます。

いきなりのりこんで、失礼する/BOO(高校社会科教員)


#0004 dando    9109102050

BOOさん、初めての参加者ですね。このボードはしばらく閉めて
いたので、本来ならばCUG版のテクノ塾を動かすべきだったとも
思うのですが、事の重さからとりあえず公開版にしています。そんなに
急展開ではないと思いますから、ぼつぼつと・・・。

 ちょっと言い方がおかしいかもしれませんが、テクノロジー社会と
いうのは商品経済の
裏返しだと思っています。しかも、商品経済のもついろいろな信用供与
とかの資本の論理に裏打ちされて初めて実効的になります。ソ連型の
技術開発だと、それが出来なくて結局のところ国家主導の軍事開発
でしかなかったのです。コンピューター技術の動向を見ても、それでは
とても追いつけませんよね。

 ソ連、中国の戦時体制、あるいは戒厳令体制下の経済運営による
開発が挫折したように、アジアの4つの竜、つまりNIESの開発独裁
にも破綻が読み取れ始めています。韓国について教えていらっしゃる
ようですが、シンガポールでも独裁の重みに耐えかねて、優秀な技術者
が国外脱出に動いているようです。

 ソ連の進む道が市場経済だと言われますが、現状では物々交換的な
イチバ経済でしかないようです。それは断じて商品=市場経済では
ないのです。あれだけマルクスを読んだ人が多い国で、こんな初歩的な
事実に気が付いていないなんて、どうなっているのだろうと思って
しまいますね。・・・・・・・・・・・・・dando


#0005 sci5277  9109110730

早速のコメント、ありがとうございます>dando
niftyのメールで、私の知合いの地理や政経の教員には、この会議室のことを
知らせたので、うまくいけば、参加してもらえるかもしれません。
niftyでも、いくつかの会議室で、ソ連の往く末を議論してるようですが、私
自身は直接的には参加していません。
この会議室のテーマは大変意味あるように思えるので、少しずつでも参加できれば
と思います。

ソ連では、マルクスも、レーニンも、全くの暗記物でしかなく、現実への創造的な
適用などは全く研究されてはいなかったということでしょう。現実の分析力におい
て、マルクスの方法論は優れたものをもっていると私は思っていますが、だいたい
資本論にしてもはたしてまともに研究されていたかどうか疑わしく思います。
ゴルバチョフの経済政策はメチャクチャで、それが、今回のソ連の崩壊を招いたと
さえ断言できそうです。
食べるものがまともに提供できなくなれば、やはりそんな国は崩壊してもらうしか
ありません。
東欧やソ連の崩壊の根底には、やはり経済の失敗があることはまちがいなく、しか
も市場経済の実体を全く知らないのですから、今後の再建の道のりは厳しいといわ
ざるをえません。

3年の選択の地理の授業では、中国が終ることになりそうですが、ちょうど今日の
授業では、清水書院の教科書(わりとよく出来ていると思いますので、参考にはな
ると思います)の韓国・シンガポールの開発の部分と中国の部分を増し刷りして、
配布・説明する予定にしていましたので、貴重な情報を併せて紹介できます。

今後とも、よろしくお願いいたします。(結局オンラインで書いてる/BOO)


#0006 dando    9109121854

 どうして、日本が問題になるのか、というと、現在の世界で
ソ連の経済改革を支援できる資金余裕を持つ国は日本しかない
のです。米国は巨大な財政赤字で議会からしっかり首輪をはめ
られ、しかも、それすら実現が危ぶまれています。ブッシュ政権
には金の面での選択肢がないのですね。もうひとつの有力国ドイツ
はもちろん旧東ドイツの復興で待ったなしの状況になっています。

 そして、湾岸戦争のように、お金さえ出せば良いのならば容易な
ことだと思いますが、今回はソ連の復興プランを考えてあげる
責任すらもたされると思います。サミットで北方領土問題が取り上げ
られたときに、海部さんは喜びましたが、西側世界はソ連問題を
日本に押し付けることを決めたのだと考えるべきでした。

 かつて米国が戦後日本の復興プランを考えてくれたように、日本が
やるんだよ、と包囲網は狭まっているのです。ところで、日本の
中に、ソ連復興プランを立てられるような「修羅場に強い」専門家
がいるのでしょうか。わたしはそれを最も心配しています。日本が
使えるお金は単純にドブに捨ててよいものは少なく、それなりに
リターンを前提に供給していかなくてはなりません。それも膨大に
なるのなら、相手の経済改革の根幹にかみこまなくてはいけないで
しょう。どう思われますか?・・・・・・・・・dando


#0007 sci6293  9109291658

 私も、日本が援助しても有効に使えるかどうか疑問に
感じています。湾岸戦争には、90億支出するのに、
島原には金を出さない、産業基盤の整備には金をつぎ
込むのに生活基盤の整備はおくれたまま。こんな国に
他国の復興プランをたてる力があるとは思えません。
 日本の経済発展は、軽軍備と重点産業への思い切った
投資によるものでしょう。
 ソ連の場合はどうなのでしょう、食料等の生産力は
あります。地下資源もあります。しかし、流通経路は
でたらめなようです。社会主義経済の中で、商品の流通
の問題は軽視されていたようです。
 もう一つは商品開発の問題。20年間も同じタイプの
車が社会主義国では製造されてきました。平等を建て前
とする社会では、車の種類は少数でよく、新製品の開発
も必要ない。20年間同じ方法で生産すればよい。
 これでは、技術力は低下し、生産意欲は減退します。
しかも、商品開発に消費者の声は反映されず、官僚統制
で生産量がきまっていく。
 このあたりの商品開発の資本主義国との差が、社会主
義の崩壊の一因になったと思います。
 ソ連、中国が後進国から出発した社会主義国ならば、
東ヨーロッパなかでも東ドイツは先進国から出発した社
会主義国です。押しつけられた社会主義かも知れません
が、大戦後”解放”された国には違いありません。
 その東ドイツの経済状況を見ていると商品開発の問題
を強く感じます。
         ふうたん


#0008 dando    9112261207

 ふーーむ、ついにソ連がなくなってしまった。クレムリンから国旗が
降ろされたというニュースを見ながら、書いています。

 もう一つの社会主義国、中国では既に企業の民営化が大規模に進んで
いて、その実態は混乱の極みにあるソ連を遠く置き去りにしているようで
す。現状では、中国は看板はともかく、ソ連よりは市場経済の機能が
発達しているようなのです。・・・・・・・・・・・・dando


#0009 dando    9201301753

 米ソ、いや米露ともに核兵器の大幅縮小に乗り出しました。ついに
というべきか、ようやくというべきか。

 米国は500億ドルの軍事費圧縮といいますから、ロシア側でも相応の
圧縮効果があるのでしょう。それにしても、この金額は60兆円にも
なりますよ。間違いだ、6兆円くらいか。

 旧ソ連での価格自由化は成功していないそうです。ポーランドでは価格の
自由化で物がなくなっていた商店の棚に商品が戻り、値上がりはしても
一応、民生の安定を得た−−それを見習ってエリツィン大統領が打って
出たのだけど、ポーランドのように商品は戻って来ないと、外電が伝えて
います。

 ところで、東欧経済を立て直すのにどうすればよいのか−−先日
イタリアのフィアット社が日本の軽自動車より少し大きいクラスの自動車
を開発して、ポーランドで生産を始めたと聞きました。東欧の安い労働力で
本当にベーシックな移動するための道具としての車を造り、東欧圏にはもち
ろん、西側にも輸出して外貨稼ぎの手伝いをするのだそう。イタリア車は決して
強力ではないけれど、こんな気の利いたビジネスが構想できるんです
ね。日本も軽自動車の設計技術を生かして、豪華で大型指向の車でなくて
これからの地球にとって必要な小型で機能的な車を、フィアットのように
現地生産できたらと思いました。日本の自動生産技術は良いけれど、
彼の地の労働事情を考えたらある程度人に頼ってもいいでしょうし、
いろいろなやり方が可能だと思います。

 資源エネルギー問題で、車はこれまでの拡大基調から小さくなる方向に
転じるのではないか、との観測もあります。これは次の世紀世界の在り方と
かなり大きなかかわりを持つ転換です・・・・・・・・・・・・dando